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GSM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

GSM

  1. Gram per Square Meterは、の厚さを示す単位。メートル坪量・米坪(g/m2)
  2. Global System for Mobile Communicationsは、第二世代携帯電話の方式。本ページで記述。

GSMは、世界で最も一般的に使われている携帯電話の方式で、2007年現在、世界中で最も多く利用されており、日本大韓民国を除く全世界で使用されている。世界の携帯市場の82%はGSM方式であり、世界の212ヵ国で約20億人が利用している。

基本的には第二世代携帯電話(2G)に属するが、GPRSのデータ通信などの拡張を含むことで第2.5世代と呼ばれ、更に上位のEDGE(EGPRS)の拡張を含むことで第2.75世代と呼ばれる。また、EDGEの上位クラスでは第3世代に近いデータ転送速度が出せる。なお、2007年現在ではGSMネットワークにおいてGPRSは一般的であり、EDGEの上位クラスも多くの地域で利用できる。

GSM方式のSIMロックされていない端末を一台持っておくと、世界のほどんどの国で、現地の事業者の発行するSIMチップを格安の料金で求めて、現地の携帯電話として、現地の電話料金で携帯電話を使用できる。多くの国では空港のサービス窓口でSIMチップを求め、すぐに使用を開始できる。

そのほか、

などの特徴をもつ。

GSMは、Global System for Mobile Communications の略で、FDD-TDMAの方式で実現されている。

また、GSMを採用した携帯電話キャリアは3G方式にW-CDMA (UMTS)を選択する傾向が高く、これを3GSMと呼ぶこともある。

目次

歴史

各国で異なるアナログ方式でサービスが行われていた欧州において、1982年に欧州郵便電気通信主管庁会議(CEPT:Conference of European Postal and Telecommunications administration)が GSM(Groupe Speciale Mobile)でデジタル方式携帯電話の統一規格の策定を開始した。1987年に統一規格として採択され、1992年ドイツで初のサービスが開始された。

欧州各国で採用され、大量生産されたためシステムが安価となった。また、メーカー・欧州の標準化機関が一体となって他の地域でも採用されるように働きかけを行ったため、広く普及した。

日本国内のみSoftBankNTT DoCoMoの一部の機種やauの「グローバルパスポートGSM」対応機種(2008年現在W62Sのみが対応する)がGSMネットワークの一部の周波数に対応しているため国際ローミングが可能(詳細は日本国外で使用可能な携帯電話端末の一覧参照)となる。海外での発信時には2倍近くの料金が発生し、また着信するだけで半額分の料金が発生する。データ通信料は100円程かかる。

周波数帯

使用される周波数帯には、主に次の4つがある。

  • 850MHz米国など
  • 900MHz帯 欧州やアジアなど
  • 1800MHz帯 欧州やアジアなど
  • 1900MHz帯 米国など

もともとのGSM規格は、900MHzからスタートし、周波数枠を広げるために、ついで、1800MHzが使われた。南北アメリカは、周波数割り当てが異なったため、これらの地域では、1900MHz,850MHzでGSMが使われる。

900/1800MHz帯に対応した携帯電話機をデュアルバンド(Dual-band)機、900/1800/1900MHz帯に対応した携帯電話機をトライバンド(Tri-band)機、850/900/1800/1900MHz帯に対応した携帯電話機をクワッドバンド(Quad-band)機と呼ぶ。なお、北米向けでは850/1800/1900MHzというものもあり、これもトライバンドと呼ばれることがあるが、一般的にはトライバンドといえば前記のものを指す。

日本と韓国以外の世界中で最低一つ以上の周波数帯域が割り当てられている。

上り (MHz) 下り (MHz) 間隔 (MHz) 帯域幅 (MHz) 地域
GSM400 T-GSM380 380.2 ~ 389.8 390.2 ~ 399.8 10 9.6×2
T-GSM410 410.2 ~ 419.8 420.2 ~ 429.8 10 9.6×2
GSM450 450.4 ~ 457.6 460.4 ~ 467.6 10 7.2×2
GSM480 478.8 ~ 486.0 488.8 ~ 496.0 10 7.2×2
GSM700 GSM710 698.0 ~ 716.0 728.0 ~ 746.0 30 18×2
GSM750 747.0 ~ 762.0 777.0 ~ 792.0 30 15×2
GSM800 T-GSM810 806.0 ~ 821.0 851.0 ~ 866.0 45 15×2 中国
GSM850 824.0 ~ 849.0 869.0 ~ 894.0 45 25×2 北米
GSM900 P-GSM900 890.0 ~ 915.0 935.0 ~ 960.0 45 25×2 アジア、アフリカ、オセアニア、欧州、中南米
E-GSM900 880.0 ~ 915.0 925.0 ~ 960.0 45 35×2 アジア、アフリカ、オセアニア、欧州、中南米
R-GSM900 876.0 ~ 915.0 921.0 ~ 960.0 45 39×2 アジア、欧州
876.0 ~ 888.0 921.0 ~ 925.0 45 4×2 アジア、欧州
T-GSM900 870.4 ~ 876.0 915.4 ~ 921.0 45 5.6×2
GSM1800 DCS1800 1710.0 ~ 1785.0 1805.0 ~ 1880.0 95 75×2 アジア、アフリカ、オセアニア、欧州、中南米
1710.0 ~ 1755.0 1805.0 ~ 1850.0 95 45×2 PCS1900併用地域、中南米
GSM1900 PCS1900 1850.0 ~ 1910.0 1930.0 ~ 1990.0 80 60×2 北米、中南米

技術

PDCD-AMPSと比較して、多重化チャネル数が多く基地局が安価である。また、単一搬送波でより高速なデータ通信が可能である。しかし、周波数帯域利用効率はやや劣る。

複数の半導体素子メーカーが安価なチップセットを大量に製造しており、端末の製造を容易にしている。また、多くの端末メーカーがあり競争が非常に激しい。

音声

  • RPE-LTP方式フルレート13kbps
  • VSELP方式ハーフレート5.6kbps
  • ACELP方式エンハンスドフルレート12.2kbps

回線交換データ通信

CSD

CSD (Circuit Switch Data)。GSMの回線交換データ通信9.6kbps。オプションで14.4kbps。

HSCSD

HSCSD (High Speed Circuit Switch Data)。GSMの高速回線交換データ通信、最大57.6kbps。1つ9.6kbpsまたは14.4kbpsの回線交換スロットを4つまで束ねる事ができる。

ECSD

ECSD (Enhanced Circuit Switched Data)。HSCSDを拡張した規格。最大384kbps。3倍程度高速化された1つ48kbpsの回線交換スロットを8スロットまで束ねる事ができる。

パケットデータ通信

GPRS

GPRS (General Packet Radio Service)。GSMのパケットデータ通信、最大スループット171.2kbps。1つ21.4kbpsのパケットスロットを8スロットまで束ねる事ができる。

Coding Scheme (CS)

Coding
Scheme
通信速度
(kbps)
最大8
CS-1 9.05 72.4
CS-2 13.4 107.2
CS-3 15.6 124.8
CS-4 21.4 171.2

EDGE

EDGE (Enhanced Data Rates for GSM Evolution)もしくはEGPRS(Enhanced GPRS)、IMT-SC (IMT Single Carrier) はGRPSを拡張したパケット通信規格。デジタル変調方式に八位相偏移変調(8PSK)を使用している。最大スループット473.6kbps。3倍程度高速化された1つ59.2kbpsのパケットスロットを8スロットまで束ねる事ができる。

EDGE Evolution

EDGE EvolutionはEDGEをさらに高速化したもの。デジタル変調に8PSKの代わりに16QAMまたは32QAMを用いる。1Mbps程度のスループットが得られるとしている。これは第三世代携帯電話に匹敵するスピードである。2009年開始予定。

Modulation and Coding Scheme (MCS)

MCS 通信速度 
(kbps)
デジタル変調 8x
(Kbps)
EDGE Evolution
(Kbps)
MCS-1 8.8 GMSK 70.4 140.8
MCS-2 11.2 GMSK 89.6 179.2
MCS-3 14.8 GMSK 118.4 236.8
MCS-4 17.6 GMSK 140.8 281.6
MCS-5 22.4 8-PSK 179.2 358.4
MCS-6 29.6 8-PSK 236.8 473.6
MCS-7 44.8 8-PSK 358.4 716.8
MCS-8 54.4 8-PSK 435.2 870.4
MCS-9 59.2 8-PSK 473.6 947.2
MCS-10 67.2 16-QAM n/a 1075.2
MCS-11 81.6 16-QAM n/a 1305.6

関連項目

外部リンク


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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