CASSHERN
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『CASSHERN』(キャシャーン)は2004年の日本映画。4月24日、全国公開された。1973年-1974年放送の、タツノコプロによるテレビアニメ『新造人間キャシャーン』の実写映画化作品である。
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概要
- 映像やミュージックビデオの鬼才と称される紀里谷和明の監督デビュー作で、主題歌は妻(当時)の宇多田ヒカルが担当して話題にもなった。また、豪華なキャスト陣も注目された。「キャシャーン」の名を使ってはいるものの、一部の固有名詞・デザインを除き、内容自体はアニメ版とはかなり違ったものとなっており、別解釈の作品となっている。
- 凝ったCGの映像は、暗く猥雑な未来のアジアを表している。ストーリーもアニメ版と異なり、暗いヒーロー像が描かれるなど、厭世的な要素が多い。監督曰く「見た後に、その人が何かを考える作品」だといい、また破滅と新生を示唆するラストに関しては、富野由悠季の『伝説巨神イデオン』の影響を受けたという。
- 紀里谷監督は元々写真家であったため、映画スタッフとの関係は悪く、それが原因で助監督が何度も交代するといったハプニングにも見舞われた。エンドクレジットでは多数の助監督がクレジットされた(通常、助監督は3人~5人だが、6、7人の名前がクレジットされている)。
- この作品は俳優・三橋達也の遺作となった。
評価
アニメ版のように『サイボーグヒーローが悪役ロボットを次々と破壊する痛快さ』は作品のほんの一部であり、むしろ全編は暗いペシミズムで覆われ、「人間への憎悪と復讐心」に満ちた新造人間の姿と、彼等を生み出す事になった世界の退廃した時代背景を描くことに重点が置かれた。
そうした未来世界の光景はCGで緻密に作成され、作中場面を一つ切り取ってみても美術作品として成り立たせようというほどの渾身の出来栄えであった。反面、それらが前後の脈絡なく唐突に繋がっていた箇所も多く、映画全体の流れとしての評価を下げる結果となった。
公開期のマスコミ評価は押しなべて劣悪であった。特に2005年1月の日本映画のワーストを評価する週刊文春主催の「文春きいちご賞」(ゴールデンラズベリー賞の日本版的位置づけを狙っている)ではワースト2位を受賞した(ちなみにその時の1位は、デビルマンであった)。特に監督の身内が主題歌を担当した事について、「宇多田ヒカルの新曲のプロモーション映像だ」などと辛辣なコメントで評された。
以上のように、否定的な評価も多かったが、当時の日本の新進気鋭の映像作家たちが作り上げた渾身の作品であり、興行結果からみれば制作費6億円に対し、興行収入約15.3億円と成功した。
あらすじ
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合の両陣営による長く続いた戦争により疲弊した世界。年老いた権力者により、変わる事なく戦争が続いていた。 そんな折、東博士は新造細胞の理論を発表し、研究の継続・援助を提案する。どこからも相手にされない博士だが、1人だけ声をかけてきた者がいた。軍部との太いパイプを持つ貿易会社・日興ハイラル社員の内藤である。彼が言うには既に研究所まで作られ、後は博士が来るだけとの事であった。研究の軍事利用に転用されることを危惧した彼であったが、病気の妻を救う必要もあり、東博士は彼の提案を受け入れるのであった。
研究に没頭し、何も省みない東博士。息子の鉄也はそんな姿に反発し、戦争に出陣する事を決意する。博士は鉄也に戦争の事を何も分かっていないと諭すが、鉄也にはそれすら逃げの言葉にしか聞こえなかった。兵士として戦争に参加し、次第に戦争の狂気に振り回されていく鉄也。
一年後… 新造細胞の研究は遅々として進んでいなかった。そんな折、東博士の下に、鉄也の戦死が報される。悲しみにくれる家族が研究所に集まる中、運ばれてくる鉄也の遺体。 その時、研究所に異形の稲妻が落ち、新造細胞の研究用プールにおいて、新たな反応が起こり始めるのだった。
研究用プールには、死体のパーツが無数に放り込まれてあった。 新造細胞は、理論上単独で人体器官を作り上げると謳われていたが、結局不可能であったのだ。しかし、稲妻により死体パーツと新造細胞が反応して、得体の知れないヒトのようなものが次々と出来上がり、活動を開始した。
キャスト
- 伊勢谷友介:東鉄也/キャシャーン
- 麻生久美子:上月ルナ
- 寺尾聰:東博士
- 樋口可南子:東ミドリ
- 小日向文世:上月博士
- 宮迫博之:アクボーン(新造人間)
- 佐田真由美:サグレー(新造人間)
- 要潤:バラシン(新造人間)
- 西島秀俊:上条中佐
- 及川光博:内藤薫(日興ハイラル社員)
- 森口瑤子
- 鶴田真由
- 寺島進:坂本(東鉄也の従軍時代の上官)
- 玉山鉄二:関口(東鉄也の従軍時代の戦友)
- りょう:池上さん(東ミドリの助手)
- 大滝秀治:上条将軍(上条中佐の父)
- 三橋達也(特別出演):老医師
- 唐沢寿明:ブライキング・ボス(新造人間)
- HISASHI&TAKURO(GLAY):(エキストラとして特別出演)虐殺される民間人
- 納谷悟朗: OPナレーション
スタッフ
- プロデュース:宮島秀司 / 小澤俊晴
- プロデューサー:若林利明
- 監督:紀里谷和明
- 原作:吉田竜夫/タツノコプロ「新造人間キャシャーン」
- 脚本:紀里谷和明 / 菅正太郎 / 佐藤大
- 美術:林田裕至
- 撮影監督:紀里谷和明
- 撮影:紀里谷和明 森下彰三
- 照明:渡部嘉
- 録音:矢野正人
- 衣装:北村道子
- 装飾:赤塚佳仁
- 音響効果:柴崎憲治
- ヘアメイクデザイン:稲垣亮弐
- アクション監督:諸鍛冶裕太
- バトルシーンコンテ:樋口真嗣
- コンセプチュアルデザイン:木村俊幸 / 庄野晴彦 / D.K / 林田裕至
- VFXスーパーバイザー:木村俊幸
- CG監督:野崎宏二
- CGスーパーバイザー:庄野晴彦
- プロダクションデザイナー:林田裕至
- 助監督:野間詳令
- 制作担当:武石宏登
- ラインプロデューサー:椋樹弘尚
- アソシエイトプロデューサー:野地千秋 / 田中誠 / 姉川佳弘
- 音楽プロデューサー:高石真美
- 音楽:鷺巣詩郎
- テーマソング:宇多田ヒカル「誰かの願いが叶うころ」
- 挿入歌:THE BACK HORN「レクイエム」(シングル「夢の花」カップリング)
- 製作:CASSHERNパートナーズ(松竹、プログレッシブピクチャーズ、エレクトリク・ゴースト、衛星劇場、テレビ朝日、朝日放送、タカラトミー、伊藤忠商事、TOKYO FM、イーンソリューションズ、菱和ライフクリエイト、ビッグショット)
受賞
- 2004年度文春きいちご賞二位
公式アルバム
『OUR LAST DAY-CASSHERN OFFICIAL ALBUM-』(2004年4月23日)
- 『茎(ステム)』(椎名林檎)
- 『LIKE NO ONE'S LOOKING』(MONDO GROSSO)「LIVE ON THE NEXT WAVE 1」収録
- 『MASQUERADE』(HYDE)「666」収録
- 『ORIGINAL HUMAN』(TOWA TEI)
- 『水写』(ACIDMAN)
- 『Pluriel』(SS:ST(Shiro SAGISU & Satoshi TOMIE)
- 『BORDERLINE』(鬼束ちひろ)アルバム「Sugar High」収録
- 『レクイエム』(THE BACK HORN)シングル「夢の花」カップリング
- 『無限のdéjà vuから~Peaceful Session~』(GLAY)「THE FRUSTRATED」収録
- 『誰かの願いが叶うころ』(宇多田ヒカル)
外部リンク
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