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BIOMEGA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

漫画: BIOMEGA
作者 弐瓶勉
出版社 集英社
掲載誌 ウルトラジャンプ
巻数 1-4巻(2008年3月現在)
テンプレート使用方法 ノート

BIOMEGA(バイオメガ)』は弐瓶勉ウルトラジャンプ集英社)誌上で連載しているSFアクション漫画。かつては週刊ヤングマガジン(講談社)で連載されていたが2004年9月に休載。ウルトラジャンプ2006年5月号にプロローグ(『BIOMEGA interlink』)が掲載され、翌6月号から本格的に連載が再開された。

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目次

あらすじ

西暦3005年。7世紀ぶりに火星への有人飛行を成し遂げた人類。水も酸素もない、廃墟と化したかつての入植地において、宇宙飛行士達は1人の女性を発見する。半年後の地球。帰還した探査船は地球周回軌道上で大破。乗組員の遺体は未知のウイルス「N5S」に冒されたまま、軌道上を漂い地表へと胞子を撒き散らしているのが発見される。約1日後、ドローン禍と呼ばれるバイオハザードで混乱する洋上の人工島「9JO」に、合成人間・庚造一が送り込まれる。幸先良くN5Sウイルスに適応した少女イオン・グリーンを発見するが、その矢先に対立する組織であるCEUに彼女を拉致される。イオンを巡る戦いが続く一方で、CEUの上位機関DRFによる陰謀が進行していた……。


注意以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。


登場人物

東亜重工

庚 造一(かのえ ぞういち)
東亜重工製の合成人間。携帯型リニアガン4000XLの移動砲台として最初期に開発された。N5Sウイルスにより汚染された人工島9JOへ都市浄化の支援と称して潜入する。しかし本来の目的はN5SV適応者、すなわちイオン・グリーンの保護であった。9JOから発射されようとしていた無数のミサイルを4000XLを用いて撃墜した後、CEUにより拉致されたイオンを追って第57MSCF、第3MSCF大陸係留索へと向かう。DRF本部とPHS、ニアルディとナレインとの争いに巻き込まれる形になるが、混乱のさなかイオンの救出には成功する。実年齢は1歳ほどであるが、識臣と呼ばれる装置により20年程度の仮想的な成長過程を経験している。普段は無口で冷静沈着だが直情的な部分があり、しばしば実力行使による問題解決をはかろうとする。
カノエ・フユ
東亜重工製の女性型人工知能AI)。造一の重二輪に搭載されており「庚班」を組む。重二輪の高度なセンサー機能や、自らのハッキングにより情報を収集して造一のサポートを行う。合理的な判断で事態を解決しようとすることが、直情的になりやすい造一を御しきれないことも。実体を持たず、第三者に対してコミュニケーションを取るときには重二輪より自身の立体映像を映写する。造一らと共に仮想的な成長過程を経験しており、データが蓄積された単なる機械とは一線を画す。
壬 二銖(みずのえ にしゅ)
東亜重工製の女性型合成人間。造一より後発のモデルであるらしく、造一のことを「造一兄さん」と呼んでいた。造一と同様にエージェントとして活動を行っており、旧マイクロボルト社(現DRF)の創設メンバーの一人、レーフ・グレブネフ追跡の任務に就いている。9JOにおいてレーフの息子であるコズロフ・レーフヴィチ・グレブネフをCEUの追手から救出後、拘束する形で同行させる。その際五宇を殺害した巡回査察員ヒグイデと遭遇するが、何とか逃げおおせることに成功し、レーフの手掛かりを追ってレーフの代理人との接触を図る。造一同様高い身体能力と耐久力を誇る。また戦闘能力においては造一よりさらに強化されているらしく、左腕部に銃のような武器を内蔵するなど、弾体加速装置の移動砲台としての意味合いを持つ造一より純粋な戦闘工作向きのモデルである様子。性格は造一と同じく直情的だがより過激なようで、説明なくコズロフを拘束したり、DRFに所属していたと判った途端レーフの代理人に銃を発砲するなど(威嚇射撃であったが頭髪の一部が焼け焦げている)、もはや見境ないといった破天荒ぶり。ただし極めて無口な造一に対し、シンに向かって任務に対する愚痴をこぼしたりと造一より人間味ある一面を見せることも。「熊はハチミツが好物」と思っている模様。
ミズノエ・シン
二珠と壬班を組む人工知能。フユやタイラと違い男性型の人格のようである。フユ同様、二銖に振り回されることが多い。搭載されている重二輪は庚班や丁班と違って車体に巨大な爪が装備されており、細いアームで動かすことにより、壁に突き刺して車体を固定する、銃弾を防ぐなどの使い方ができる。
丁 五宇(ひのと ごう)
『BIOMEGA interlink』で登場した東亜重工製の合成人間。造一と同様に、エージェントとして活動を行っていた。MSCFのひとつを壊滅させた際、DRFによって作られた疑似N5SVを発見してCEUの追撃を受ける。パートナーのタイラに疑似N5SVを託して脱出させた後に、巡回査察員ヒグイデに殺害された。
ヒノト・タイラ
五宇と丁班を組む女性型人工知能。映像は似ているが、フユとは別の人格型。搭載された重二輪が大破してしまい、彼女のモジュールのみ強制的に脱出させられた。その後はコズロフによって回収され、壬班と共に行動している。
黒川 真村(くろかわ まむら)
東亜重工の研究員。合成人間開発プロジェクトの主任を務めていた。通称黒川博士。本社陥落の際に巡回査察員に拘束され尋問(拷問?)を受け、現在はDRFの管理下にある。
黒川の娘
黒川博士の娘。識臣に接続し仮想空間内で造一やフユらの教育係を務めていた、彼らにとっての「母親」。東亜重工を占拠したCEU部隊により拘束、黒川博士尋問の為にマスクを外されN5SVに感染。その後駆けつけた造一の情により命を断たれたと思われる。

技術文化遺産復興財団 (DRF)

ニアルディ
DRF総主。幼少時の姿からして黒髪で細身の女性で、常に仮面で顔を隠している。逆相写像重合体を用いて、地球をより高次の存在に作り替えようとしている。かつてナレインとは親しい間柄であったが、人類総改換計画への見解の相違から道を違えており、現在は敵対している。ナレインいわく、彼女の有する力は触れたものを「理解する」力であり、人はもちろん何らかの意味合いを持つもしくは思念が込められた物体のそれを瞬時に把握できる。
右断吏官
甲冑風の装甲を纏っている。武装は黒色の刀。非常に高い戦闘能力を有しており、自ら疑似N5SVを投与してドローン化したウィルデンシュタインを自身は生身でありながら瞬殺した。ナレインとウィルデンシュタインを始末した後もニアルディと行動を共にし、9JOの巡回査察員ヒグイデと交戦するが、激戦の末に敗れる。普通の言語で喋る。
左断吏官
右断吏官と同様の甲冑風の装甲と刀を持つ。やはり高い戦闘能力を有しており、造一による死角からの射撃を回避して、一瞬でその背後に回り込んで殴りつけるという離れ業を見せた。しかし造一が一瞬の隙に腰部に仕掛けた小型爆弾により腹部を破断される。中国語に似た奇妙な言語で話す。イオンに対して放った言葉は「返却不要少女 殺断実行」であると思われる。
巡回査察員四人組
造一に手を焼いているヒグイデらへの応援と称してCEU本部から第三MSCFに派遣されたが、本来の目的は独断が目立つ公衆衛生局の監視であった。それぞれ異なった容姿を持つが、名前は公開されていない。長い銀髪の男がリーダー格らしく、他に大柄な男とスマートな女の二人の巡回査察員を連れてヒグイデの前に現れた。その際造一を始末出来なかったヒグイデを挑発するが、手は借りないと返される。もう一人の巡回査察員は単独で造一に挑んだが、造一との交戦経験がある公衆衛生局の懸念どおり通り返り討ちにされている(ただしこの際、狙撃により造一の再生能力を阻害する薬物を打ち込んだ)。銀髪の男が本社の命令で公衆衛生局の査察を行い、規則に反する違法な研究がされている事を突き止めたが、ナレインに発見されて対盤と呼ばれる決闘のようなものに参加させられ、ヒグイデと戦って殺される。他の二人も対盤を妨害しようとしたという容疑で殺害されていた。

公衆衛生局 (PHS)

ナレイン将軍
フルネームは、ナレイン・メグナード。幼少期、施設に預けられているところをMV(マイクロボルト)社に引き取られる。人体を捻り切るような念動力を行使することが出来る。その時点では褐色の肌を持つ普通の青年男性だった。公衆衛生局を率いていた頃は、イカともタコとも取れない異様な容姿をしていたが、現在は、擬似N5SVを投薬した合成人間に脳転写を行い合成人間に体を移し、ドローンと化した人間を元の姿に戻すという神がかり的な能力を保持するに至る。
カーダル・スピンダル
DRFの巡回査察員。女性。念動力の使い手で、戦闘時には全身を紐状の繊維で隈無く覆う。この繊維を切り離して飛び道具としても使用する。念動力によって硬化され放たれる繊維は造一の装甲をも貫く。また、巡回査察員としては珍しく、普通の人間と変わらない姿を持つ。N5SVによって強化された社員や巡回査察員は基本的に白い前掛けを付けるが、彼女の場合は付けている時と付けていない時がある。9JOで造一のイオン奪還を阻止し、第57MSCFでは彼に重傷を負わせる。その後、理由は不明だが造一を制止する目的で人間の姿のまま近付き、本部から派遣された巡回査察員によって打ち込まれた毒物を中和する薬品を打ち込んだり、DRFによる第3MSCF侵攻時にイオン共々脱出しようとしていた際には、イオンを引き渡せという言葉に素直に従っている。
ヒグイデ
巡回査察員。右手に鉈、左手に分銅鎖のような武器を持つ。『BIOMEGA interlink』にて、丁 五宇(ひのと ごう)を惨殺。その後、五宇が逃がしたヒノト・タイラを追跡、タイラと、彼女を救出したコズロフの前に現れ、直後に駆けつけた壬班と交戦している。更に本部から派遣されてきた巡回査察員を倒すなど、その戦闘力は一般的な巡回査察員よりも高い。DRF侵攻時には公衆衛生局の兵士らと共に本部部隊と真正面からぶつかり合い、ニアルディと行動を共にしていた右断吏官に勝負を挑み、ドローン化したウィルデンシュタインを相手にしても全く引けを取らない戦闘力を持つ右断吏官と、自身はドローン化しないまま互角の戦いを繰り広げた。また、他の巡回査察員と違い前掛けをしていない。
ウィルデンシュタイン博士
ナレイン将軍のお控え研究員として、兵器や合成人間を始めとした全般的な技術開発・研究に携わっていたものと思われる。黒川真村がついに明かさなかった弾体加速装置を自力で完成させてしまうほどの頭脳の持ち主。公衆衛生局では単なる科学者以上の地位に就いていたと思われるが、DRF本部の部隊が接近しているにもかかわらず自らが開発した弾体加速装置を尻目に試し撃ちをした結果、防衛に当たっていた味方の強制執行部隊を全員無力化してしまった上に外してそのまま現場から逃げたり、ナイレン将軍の脳転写を行っている最中に転写したナレインに呼びかけを行うはずが手違いから転写元を目覚めさせてしまった。DRF本社の戦闘部隊員によって頭を撃ち抜かれた直後にドローン化するも、右断吏官によって一撃で倒される。その直前にナレインの脳転写を行った合成人間に対して、N5SVを打ち込んでいる。

その他

リルオード
火星を探索していたDRFの調査員らが遭遇した女性。24対の染色体を有し、逆相写像重合体並びにドローンらと深い繋がりを持っているらしい。本来宇宙服が必要な筈の火星でも生身で活動していた。ナレインやウィルデンシュタインによると不老不死者であり、イオン・グリーンの前例とされる。
イオン・グリーン
N5Sウイルス適応者と仮定されていた少女。外見上は17歳。両親はおらず9JOにある祖父の家にコズロフと暮らしていた。外気に生身をさらしながらドローン化せず、肉体の損傷に対し顕著な回復・再生能力を見せる。感情を顕わにすることがあまりなく、作中これまで言葉さえほとんど発していない。熊の着ぐるみを持っている。巡回査察員に拉致され、現在はDRFの管理下にある。後にN5SVに感染していないことが判明。更に180年前に閉鎖したゼル研究所の所員、ヴィエフ・チイエナと網膜の血管パターンが一致し、この事より彼女が不老不死者であることが判明する。ただし、本人がその事を自覚しているかどうかは不明。
コズロフ・Л(レーフヴィチ)・グレブネフ
イオンの保護者を名乗る大型の。人語を解し、重火器から日用品まで器用に道具を扱う。庚班の助力によって9JOを脱出後ヒノト・タイラを回収、さらに壬班によって巡回査察員から救出(のち拘束)され、行動を共にする。ミドルネームのレーフヴィチとは「レーフの息子」の意であり、事実コズロフもDRFの前身マイクロボルト社の創設メンバーであるレーフ・グレブネフを「親父」と呼ぶ。もっとも彼自身は、二銖から聞かされるまでレーフに関するその事実を知らなかったようである。イオンを連れ去りにきた巡回査察員と交戦し右腕を、また後に右耳も失う。失った右腕にはフックを装着している。ハチミツは好きではない様子。
レーフ・グリゴリエヴィチ・グレブネフ
西暦2272年、火星ドローン禍勃発の7年後、物語内における734年前に設立されたマイクロボルト社(現DRF)の創設メンバーのひとり。科学者だったと思われる。イオン・グリーン/ヴィエフ・チイエナが所属していたゼル研究所を個人的に運営していた他、現在はイオン・グリーンの祖父という事になっている。現在も生きているらしいがその消息は不明。生きているとすれば相当な長命者である。
レーフの代理人
コズロフが小さい頃世話になっていた医者。その正体は第一世代の合成人間であり、現在の年齢は200歳近い。戦闘能力はさほど高くない。

用語解説

主要アイテムなど

N5Sウイルス (N5SV)
700年前、火星植民者が偶然に作り出したウイルス感染すると老化が止まり、超高効率で細胞代謝を続けるようになる。強い感染性と毒性を持ち、感染者の多くはドローンと化す。ただし、DRFは自分達だけ毒性を弱めたものを使い、彼等がいうところの「新しい人類」に生まれ変わろうとした。N5Sウイルスによるバイオハザードドローン禍と呼ぶ。かつて火星植民地は研究施設からのN5SV流出により4日間で全滅した。感染すると必ずドローンとなる訳ではなく、ウイルスに適応する者もいる。公衆衛生局はこの適応者と非適応者を分類するため、N5SVを世界中に拡散させたとされる。
ドローン
N5SV感染者が一旦死んだ後に変容した存在。知性はほぼ失われており醜い姿を持つ。N5SV適応者に反応して集団行動を見せる他、逆相写像重合体の触媒にもなる。公衆衛生局とDRF本社とはドローンに対する考え方が異なっていたようだ。
逆相写像重合体
DRFが過去に火星での研究において発見した非常に特異な性質を持つ液体。ドローンを触媒として、無機物、特に幾何学的な形状に反応して吸収、再構築する。レーフによって封印されていたがニアルディらによって封印を解かれてしまう。ニアルディはこれを世界中に散布し、地球をより高次のものに出来ると信じていた。

地名

9JO
800年前に太平洋上に建設された巨大な人工島(メガフロートを参照)。高層建築が立ち並び、多くの人間が居住する都市である。名前の由来は八丈島(9JO → キュウジョー → 九丈)。DRFの管理下にあり、海下に研究施設を持つ。他の大陸と太平洋大橋で結ばれている。
最厳重警備隔離施設 (MSCF: Maxi-Security Containment Facility)
各地に点在する施設。もっぱら略称のMSCFで呼ばれる。9JOの南17地区にある第7MSCFには、公衆衛生局により探し出されたウイルス適応者を収容していた。そのため適応者の存在に呼応したドローンの大群に包囲され、浄化作戦の焦点ともなっていた。また、9JOの全てのMSCFには軌道大陸間弾道ミサイルが秘密裏に配備されていた。
大陸繋留索
DRFの所有する人工衛星並びにそれを地球に繋ぎ止めておくための軌道エレベーターの総称。恐らくは「大陸」が人工衛星を、「繋留索」が軌道エレベーターを指しているものと思われる。公衆衛生局のある第3MSCFはその軌道エレベーターの地上側に位置しており、実質的に公衆衛生局の管理下にある。非常に巨大な建造物だったが、大昔(まだDRFがマイクロボルト社だった頃?)にその創設者の一人であるレーフによって封印された。表向きには遺棄された事にしていたが、実際は軌道修正を続けており、稼動していたと思われる。逆相写像重合体によって作り変えられる地球から避難するため、DRFはその封印を開ける方法を探していた。また、DRFと公衆衛生局が交戦状態に陥ったのも、両者に人工衛星へ避難するという目的があったためである。

組織、集団

東亜重工
9JOに造一らを派遣した巨大企業。本社ではなく本土と呼ばれ、また他の企業「旧Ѵ(イジッツァ)社」についても「Ѵ領区」といった表現が見られるため、国という概念が企業に取ってかわられた可能性もある(作品冒頭でも、9JOに住むコズロフが東亜重工から来たという造一を「外国人」と呼び「自分の国へ帰れ」と言っている)。N5SウイルスについてDRFと対立する姿勢をとっていたが、ドローン禍の全世界拡散と同時に本社へのCEU突入を許し、最終的には本社が自爆消滅、組織としては壊滅状態に陥っているが、以降も造一など同社の合成人間が活動を続けている。『BLAME!』では、東亜重工と呼ばれる宇宙船遺跡が登場するが、本作との関係は不明。作者によるとBIOMEGAの後にBLAME!があるということはないらしい。
技術文化遺産復興財団 (DRF: Data Recovery Foundation)
世界一の大企業。強制執行部隊を世界各地に送り込んで地元政府と公務契約を結ばせたり、独力で火星へ人類を到達させたりと、その実力は超大国と呼ぶにふさわしい。もっぱら略称のDRFで呼ばれる。下部機構として公衆衛生局を擁しているが、本社も独自の戦闘部隊を持つ。人類総改換計画を企てて意図的にN5Sウイルスを拡散、その結果発生したドローン禍を「新しい人類の為の洗礼」と称する。東亜重工本社の消滅、ドローン禍の全世界拡散の確認を受けて、世界統一政府の発足を宣言した。元々はマイクロボルト (MV) 社と呼ばれる組織であり、不老不死に関する研究から医薬品開発などを行い、後に慈善事業なども手がけた大企業であった。社員はMV社時代からの伝統と思われる黒いスーツに白い前掛けを着用しており、一部の巡回査察員にも同様の服装が見れらる。
公衆衛生局 (PHS: Public Health Service)
DRFの下部機構。独自の管轄下にある強制執行部隊を擁する。火星探査以前からN5Sウイルスの実在を確認、その調査研究を行っていた。そのために権限が強化され、CEUの配備に繋がっている。ドローン禍の全世界拡散が回避不可能になってからDRFと共同でその事実を発表、またその確認を行った。指導者であるナレインとDRF本部のニアルディが人類総改換計画に対する価値観の相違から敵対しており、後に公衆衛生局とDRF本部は交戦状態に陥る。
強制執行部隊 (CEU: Compulsory Execution Unit)
DRFの実行部隊。空母機動部隊機械化歩兵部隊で構成される。火星へ探査船を送る以前に組織されており、このことからDRFはドローン禍の発生を予見していたと推測されている。表向きはドローン禍の浄化を目的としていたが、実はN5SV適応者の捜索に当たっていた。現在はドローンや、東亜重工の残党などの反DRF勢力の排除を主任務とし、造一や二珠達と度々交戦する。無人操縦の戦闘機や装甲車などを保有し、ドローンの浄化などを行っているが、隊員個々の戦闘能力はあまり高くないようで、造一や二珠を相手にした場合はほとんど一方的に倒されている。隊員は主に大型の銃剣を装着したアサルトライフルを持ち、仮面状のプロテクターと弾帯付きのベストといった共通装備に身を包み、素顔を見せた者はいない。また、本部と公衆衛生局の部隊は装備が大きく異なっている。
巡回査察員
CEUに所属し、ウイルス適応者の回収、敵対組織の排除などを担当する。サイボーグ化した身体の各所には武器が埋め込まれており、高い個体戦闘能力を有する。彼らはDRFの作成した擬似N5Sウイルスを投与されており、ウイルスに免疫があるためドローン化を免れているが、知能を保ったままドローン化することも可能。また、その応用技術を用いることにより、頭部を含めた生体部品の損傷を再生することができる。外見的特長としては全身黒ずくめで、顔部は皮を貼り付けたように白く、食肉加工業者の前掛けのようなものを装備している者が多い。多くは腰から下に布をかけたような形状だが、エプロンのように胸から下すべてを覆うものやイヴニングドレス様のものなど、ある程度のバリエーションが存在する。

兵器など

東亜重工製合成人間
「社の運命を賭した大事業」を担わせる為に、東亜重工が開発した人造人間。光彩を見る事で普通の人間との判別が可能。その身体は成人として作成されるが、人格や知識については識臣により擬似的に時間をかけて育む。姓には十干が、名前の一部には数字が用いられている。同じく識臣の中で育った同じ姓を持つAI(重二輪に搭載)と共に二人一組の班を作り、工作活動に当たっていた。非常に高い身体能力と強靭な耐久力を誇り、再生能力も有している。弾体加速装置を装備する他、それ以外にも何らかの強力な兵器を所持する。バイザー部分がディスプレイ (HMD) となったフルフェイスヘルメットを装備しており、これを通じてAIと直接「接続」することができる。ヘルメットやスーツには班ごとに異なる白線が入り、またこれらは銃弾程度では傷も付けられない。食事をとる必要は無く、仕様上は少量の水のみで5年程度は生存できる。レーフの代理人が推定200歳以上となっている事を鑑みるに、寿命も人間以上に長いと思われる。但しこの時代の普通の人間の寿命も伸びている可能性もある。合成人間の製造技術自体はさほど珍しいものではないようで、公衆衛生局でも合成人間を製造している。しかし、東亜重工製の合成人間と同じような成長過程を辿るかどうかは不明で、その性能も造一達ほどには高くなかったようだ。
識臣(しきおみ)
合成人間や、人工知能に乳児から大人になるまでの成長過程を体験させるための施設であり、仮想空間の中で合成人間・人工知能に教育を施す。実時間の1年が、識臣の中では50年以上に相当する。合成人間は成人体で生まれるが、そのままだと精神は乳児と変わらない。しかし合成人間に人格や知識を「データとして」インプットしても人間並みの機能を果たさないため、精神を育てるために識臣が使われている。作中において、黒川博士の娘が識臣の仮想空間に潜り「母親」として造一やフユらを育てていた。
重二輪
AIを搭載したバイク。庚班・壬班・丁班による使用が確認されている。AIのみの単独行動も可能で、班ごとに仕様の異なる装備が施されている。現在確認されている最高速度は724km/h。造一のバイクにはレールガン、二朱のバイクには爪が装備されている。
折りたたみ式の斧
造一の装備で、弾体加速装置の残電力が不足した際などに使用する。
弾体加速装置
東亜重工製の合成人間達が所持する拳銃型の武器。その名称より、レールガンの一種ではないかと推察される。加速に要する電力は内蔵バッテリーに蓄積されており、その残量は携帯電話の電池表示に類似した形で確認することができる。電力が尽きると発電モードへと移行する。また、この電力は脳集波と呼ばれる特別製の脳が生み出すエネルギーによって蓄えられるらしく、同様の発射システムを有する複脳式弾体加速装置は発射時に要する大量の脳集波を展開していた強制執行部隊から取っていた。通常は銃声も威力も小さいマナーモード(二銖では「省電力モード」)になっており、これを解除することにより最大出力で射出することができる。この際、当然銃声も大きくなる。度々描かれる弾丸の描写で、弾頭に十字型の傷が彫られているのが確認できる。これは恐らくダムダム弾の類を指していると思われ、実際の戦闘でも撃たれた相手の頭部が弾け飛ぶなど、ダムダム弾によって撃たれたと思しき状況が確認できる。造一が第7MSCFに突入した際に銃握内(現在の拳銃ならマガジンのある位置)の何らかの装置を交換している描写があるが直後の戦闘で連射した後HUDにバッテリー切れの表示がされたため、これはバッテリーではなく実弾装填のマガジンであると思われる
4000XL
黒川真村を中心として東亜重工が開発したレールガンに酷似した火器。通常は造一の重二輪のシート下部に四分割して格納されている。砲身の長さは人間の身長の1.5倍程度であるが、細い部分の銃身を伸ばさずに射撃を行う事も可能。弾体加速装置の大型版といった位置づけらしい。フルサイズでの威力は凄まじく、世界中を攻撃しようとした大陸間弾道ミサイルを大気圏を突き抜けて撃ち落とす描写がある。『拡散衝弾』など、射出する弾体にはバリエーションが存在する。
複脳式弾体加速装置
ウェルデンシュタインによって開発された巨大な火器。黒川真村の手になる弾体加速装置を独自に解析した産物である。名称は異なるが、弾対加速装置や4000XLの単純な大型版に近い。大きさに準じて大量の脳集波が必要になるらしく、発射時には砲の周囲に展開していた強制執行部隊の脳集波を集束して使用していた。
二銖の火器
二銖の左腕に内蔵された火器。弾体加速装置を上回る火力を有しているらしく、弾体加速装置で貫けなかったDRFの兵器を至近距離とはいえ貫通し、数発で撃墜している。造一には装備されていないようで、後発モデルである二銖オリジナルの装備である可能性が高い。
L196
コズロフの所持しているライフル。セミオートかボルトアクションかは不明。ズーム機能が付いたスコープが取り付けられている。相手が強制執行部隊程度なら何とかなるが、巡回査察員相手には手も足も出なかった。

以上で物語に関する核心部分の記述は終わりです。


外部リンク



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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