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8MAN infinity

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

8MAN infinity』(エイトマン インフィニティ)は七月鏡一原作、鷹氏隆之作画の漫画作品。

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目次

作品概要

昭和30年代に一世を風靡した漫画作品『エイトマン』(平井和正原作、桑田二郎作画)の続編として描かれている。

2004年12月号より講談社発行の漫画雑誌「月刊マガジンZ」にて連載。連載誌刊行元より「マガジンZKC」レーベルにてコミックス発刊。2007年12月現在6巻まで。

そもそもの原作者(原作である『エイトマン』の原作者という意味で)は平井和正だが、その平井自身のたっての指名で七月が原作シナリオを務めている。七月は平井作品の代表的な熱狂的ファンで、互いに自身の作品の解説などを任せる仲であり、その縁で当作の原作者として指名された。そのため、この作品は「原作者」と称されるべき人間が3人(原作作品「エイトマン」作者である平井・桑田の2人とそれを元にして漫画にする前段階の「ストーリーシナリオ(漫画原作)」を担当する七月の計3名)いるという奇妙な状況となってしまっている。これを区別・解決するために、この作品についてはそれまで漫画業界では使われていなかった「ルーツ(源流の意)」という用語が使用されている。また、作内の専門的メカニックのデザイナーとして永田太を迎えている。

以上の事から、当作のクレジットは以下のようになっている。

  • 原作:七月鏡一
  • 作画:鷹氏隆之
  • ルーツ:平井和正、桑田二郎
  • メカニカルデザイン:永田太

本来、この作品は『エイトマン』を知らない世代に向けた同作の「リメイク」として企画された。しかし平井の「せっかく七月氏にエイトマンを預けるのだから、かつてのエイトマンとは全く違うエイトマンを見たい」との要望から、現在の「続編」という形に変わった。そのため、連載開始にあたって平井と七月は幾度もの綿密なメール交換による打ち合わせを行っている。

ベース原作となる『エイトマン』そのものはアニメ版ではなく、漫画版よりその内容をとられている。そのためコミックスに書き下ろされたプロローグには漫画版エイトマンの最終話である『魔人ゴズマ』に出てくる東八郎の終幕モノローグが入れられている。

前述のように七月は平井作品の強烈なファン。そのために、この作品では数多くの平井作品をモチーフとした(もしくは平井作品そのものに出てきた)キャラクターが登場する。七月はこの状態をスーパーロボット大戦をもじって「スーパー平井&桑田大戦」だと公言しており、この事は平井も七月より聞き及んでいる。

infinityとは「無限大」を意味するが、それを表す数学記号「∞」は8を横にした形である。


注意以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。


あらすじ

嵐の夜。少女アンナは追われていた。自らを生み出したある組織から「あるもの」を奪取・逃亡したためだ。それを手伝えば彼女に欠けている「感情」というものを渡すと言われて。

自転車便のアルバイトをしている高校生東光一は、組織の追っ手によって線路に突き落とされたアンナを助けるため、自身が電車に轢かれて命を落としてしまう。死ぬと解っていて自分を助けた光一にアンナは疑問を感じる。彼女は人間ではなく、ある人物によって創られた「マシナリー」と呼ばれる人間型ロボットだったのだ。

疑問に対する答えを持たぬアンナに、どことも知れぬ場所から語りかけてくる声があった。その答えを知りたければ、アンナが持っている「あるもの」を光一に渡すようにと。それはアンナにとっては考えられぬこと。彼女は反発する。しかし声は光一の死はアンナと自分に責任があると言い、それを実行するように迫る。

病院で死んだはずの光一は、アンナの持つ「あるもの」によって蘇る。しかし、それを狙う組織の実行部隊「ハンター機関」に所属するサイボーグたちが病院にやってきた。彼らは病院にいる者たちを次々に殺し、光一に襲いかかって来る。人間を軽々と叩き潰すサイボーグたちの一撃を光一はいともたやすく受け止めていた。それをきっかけとして、光一は変身してしまう。伝説の男「8マン」に。

組織の追う「あるもの」とは上位組織「ジェネシス」によって8番目に開発されたマシナリーのボディ素体「8th(エイス)」だった。アンナはそれに光一の魂(クオリア)をコピー入力したのである。そして「8th」には、かつて「8マン」と呼ばれた男、東八郎の能力(マトリクス)が入れられていたのだ。

それは東八郎自身が組織から「8th」を奪取するために行ったこと。アンナに語りかけていた声の正体も彼だった。八郎は光一に語る。光一が既に死んだこと。その魂がマシナリー「8th」に転写されたことを。そして、この事により光一が「8マン」の運命を引き継ぐ事となる事を。

そして光一は自分以外の他の「マシナリー」を擁する人類のエリートを自認する「ジェネシス」と、また他の数多くの悪と戦う事になる。「8マン」の運命を引き継ぐ者「8マン・ネオ」として。

登場人物

東 光一(ひがし こういち) / 8マン・ネオ=8th(エイス)
本作の主人公。自転車便のアルバイトをしている高校生。幼い頃に両親を亡くしている。父親は刑事で、光一の幼少時にテロリストの乗る軍用車に轢かれ、光一の目の前で死亡した。その時の自らの無力と無念が、彼をあくなき自己犠牲の道へと突き進ませている。アンナを助けて命を落としたことにより「8th」のマシナリー・ボディを移植され「8マン・ネオ」となった。見寄の無い現在はマンションに一人暮らし。時折、父の既知である関口家に厄介になっている。
その「8th」ボディには、東八郎の「8マン」としての能力の他に、「∞システム」なる未知の危険な高エネルギー発生システムが搭載されている。このシステムは危険である半面で名前の通り無限のエネルギーの放出を可能とする。そのためヴァレリーにとっては、どうしても奪還せねばならないシステムとして認識されている。
アンナ・ヴァレリー
少女の外見を持つマシナリー。その精神は光一や他の人間を素体としたマシナリーとは違い、量子コンピュータ「ヴァレリー」の意識から分化したプログラムAIに近い「電子知性体」と呼ばれる存在。そのため常に論理(ロジック)による判断を行い、「感情」というものが一切存在していない。だが、それ故に「感情」というものに強い憧れを持っているようであり、それを知るために東八郎と取引をし、そのために「8th」ボディを組織から盗み出して逃亡した。
東 八郎(あずま はちろう) / 8マン
その昔に死んだとされている「警視庁捜査一課・存在しない8番目の刑事」であり、「伝説の男」と呼ばれる私立探偵。所在は不明であるが、折に触れて光一やアンナの前に電脳空間上のクオリアとして登場する。精神的にもまだ未熟なアンナや光一に様々な助言をしている。
前作にあたる『8マン』の主人公。「∞システム」に危険を感じ、アンナと協力してこれを奪取。システムに対抗する後継者として光一を選ぶ。触(エクリプス)なる現象によって電脳空間にアクセスできる時間が限られているためか、現在は彼を鍛えんと必死になっている。また、これは自らの死期も近いことを悟っているが故の行動でもある。世界のどこかで大破し、データの維持すらも困難な状態になりつつある模様。
リープ
ジェネシスの下部組織「ハンター機関」によって放たれたマシナリー犬。コードネームはクロス。光一=8マン・ネオと戦うが、そのショックと関口家の娘・幸の優しさに触れた事で、かつて「エコー」と呼ばれる足に障害を持つ優しい少女の元で飼われていたという記憶の一部を取り戻す。マシナリー化によって組織に記憶を消去されており、それを取り戻すために光一たちと共闘する事になる。
モデルは『超犬リープ』の主人公(ロボット犬リープ)。
関口 幸(せきぐち ゆき)
光一とリープが厄介になっている関口家の一人娘。光一にとっては姉のような存在。リープにとっても大切な人となっている。光一やリープがマシナリーである事は知らない。
関口 義夫(せきぐち よしお)
警視庁捜査一課の課長。幸の父親。光一にとっても父代わりの存在。ハンター機関の暗躍や、犯罪シンジケート「黒き蝶」に捜査のメスを入れられずに、苛立っている。8マンが姿を消した(死亡した?)後に捜査一課長に就任したと見られ、「8マン」については何も知らないようである。
林 石隆(リン シールン)
ハンター機関情報班のチーフ・エージェント。8マンの存在に多大なる興味を寄せている。そのためか奇妙な単独行が目立ち、関口にもフリージャーナリストという嘘の経歴(カバー)で接触している。
モデルは『アダルト・ウルフガイ』『死霊狩り』等に登場する同名人物。
高鳥(たかとり)
ハンター機関情報班に所属する林の部下。凄腕のハッカー
名前の由来は『幻魔大戦』の高鳥慶輔と思われる。
ミュラー
ハンター機関サイボーグ実動隊の隊長。マシナリーを「生身の欠片も残っていない機械」と嫌悪している。後に林と対決し、欠陥部分を看破され消滅。
田中 善右衛門(たなか ぜんえもん)
光一のお得意先「タナカサイクル」の店長。前職は警官で警視総監まで上りつめた鬼刑事。常連客でもある光一のことを、その苗字と性格から昔の部下を思い起こして「アズマ」と呼び、そのたびに光一から「俺はヒガシです」と言われている。関口家の人々と同じく、光一の事を案ずる人間の一人。
ストーリーが進むにつれ『8マン』の田中課長本人である事が明らかにされた。ある事件をきっかけに光一が東八郎の後継者である事を知り、東八郎から光一・リープ・アンナの運命を託された者として彼らに力を貸すことになる。
『エイトマン』と同じ平井・桑田コンビによる作品『エリート』に「田中課長」なる刑事が、また『超犬リープ』に、「田中善右ェ門」なる警視総監がレギュラーとして登場している。キャラクターデザイン上は『リープ』版に似ているように作画されている。作品の性質を考えた場合、これら全てを同一人物として考える事も可能であるが、正規設定においてどうなっているかは未だに明かされてはいない。
谷 方位(たに ほうい) / Vallery(ヴァレリー)
組織『ヴァレリー』(ひいてはその下部である『ジェネシス』および『ハンター機関』)の最高意志決定者であり史上最強の量子コンピュータで、全てのマシナリーの父。8マンの開発者であり、史上最初のマシナリー。他ならぬ『8マン』の谷博士本人。
8マン最後の戦いの終了後アメリカに戻り、自らの意識を量子コンピュータに移し変え、世界の裏で暗躍を始めた。なぜかかつて描いた理想を捨て去り、まるで人間を試すかのように自らの持てる技術を軍事へと費やして世界の破滅を画策するかのように邁進している。そのため、今では東八郎=8マン&の最大の敵かつ、後に東 光一=8マン・ネオが立ち向かう黒幕である。

マシナリー・ナンバーズ

ハリエット・ハントレス / 2nd(セカンド)
白人女性のマシナリー。神に近い力をも持つとされる。ヴァレリーの理想「マシナリーは兵器ではない」を体現しようと願う者。その他の詳細は不明。
モデルは『ウルフガイ』の虎2(フーリャン)。
林 芳蘭(リン ファンラン) / 4th(フォース)
中国人少女のマシナリー。マシナリーは人類のエリートに与えられると信じており、プライドが高い。虎型のパートナーマシナリー「サンダー」と行動を共にしている。
光一に最初に接触したナンバーズ。ある事件でダウンを起こし、再起動のため光一によって精神にダイブされた事をきっかけとして、彼に対してツンデレに近い複雑な心情を持つようになる。
幼少時、父母を「黒い蝶」によって殺害されている。また、自らも同様に命を奪われたが、ヴァレリーの研究者たちによってマシナリーと化し蘇った。
モデルは『ウルフガイ』の虎4(フースー)。
アーネスト・ライト / 5th(フィフス)
黒人少年のマシナリー。パートナーは鳥型。
紛争地帯の少年兵であったが、介入してきた国連軍の女性兵士に助けられ、そのまま彼女の養子となる。しかし、いつしかその事を忘れて再び戦いの中を生きるようになった(その経緯については不明)。
モデルは『サイボーグ・ブルース』の主人公。
6th(シクスス)
最初に「∞システム」を搭載されたマシナリー。その暴走により街を一つ吹き飛ばし、20万人を死に至らしめ、自らは記憶の全てをシステムに食われてしまった。そのため、自らの外形も保つことが出来ず、辛うじて人の姿を保ち会話だけが出来る存在となってしまう。
ルシア・大滝・ジーベル(― おおたき ―)/7th(セブンス)=アニマ
クォーター日系人の少女。彼女の監視役であるパートナーは猫。
本来は心優しい少女だが、両親を火災で亡くして炎恐怖症となり、解離性同一性障害を患った結果、自身を守るためなら殺しを厭わない凶暴な人格を持ってしまった。そこからジェネシスのカレーニナ教授に目をつけられ、「アニマ」という人格を構成され、一種の実験体として扱われるようになってしまう。アニマはあくまでも精神上の存在であるため、センサーにも記録されない。また、アニマがルシアのボディの主導権を奪い取ることもあるようだ。念動能力や瞬間移動など、数々の超能力を駆使する。
ケン・ヴァレリー / 8マン・シェイド=8th
アンナによる『8th』素体強奪事件の後、ヴァレリーが再開発した新たなる8th。光一の8th素体とは違い『∞システム』は搭載されていない。
実はヴァレリーこと谷博士の息子。「シェイド」とは「影」の意味で、東八郎とその後継者である光一へのあてつけのために自らを「8マンが大地に落とした影」と呼び、そう名乗っている。
『8マン』にはサイボーグとして登場、激闘の末に死亡している。当作内では「その後、谷博士によってその記憶をコンピュータに保存され、クオリアとして蘇らされて新たなる8thボディを与えられた」とされている。
アルベルト・ダンガー / 9th(ナインス)
通称・魔王。国際犯罪シンジケート「黒い蝶」の首魁。世界の裏側で様々な暗躍をする男。そのために誰が何が犠牲になろうとも、それを振り返ることなど決して無い、冷酷極まりない外道。パートナーのマシナリーは大蛇。
モデルは『エリート』の魔王(エルケーニッヒ)ダンガー。

外部リンク

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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