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静止形インバータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

image:Image:Tokyu SIV INV-020-A1.jpg
東急1000系の補助電源用静止形インバータ

静止形インバータ静止型インバータ(せいしがたインバータ)は、直流電源をインバータ(= Inverter:インバーターとも)により、100V~440Vの交流に変換する電源装置である。

概要

固定電圧・固定周波数を出力するインバータ装置の一つであるが、鉄道車両における補助電源装置として用いられる場合、走行用のVVVFインバータと区別すること、旧来の電動発電機と異なり駆動部を持たないことから、あえて「静止形」と称することが多い。略称としてSIV(Static InVerter)とも呼ばれる。作動時に「ビー」という一定周波数(60ヘルツ)の騒音磁励音)が発生する。

なお、"Static InVerter"は、和製英語であるため、海外では通用せず、APU(Auxiliary Power Unit)と呼ばれる。

登場初期は大容量の素子が製造できなかったため、冷房を搭載していない車両を中心に搭載され、電動発電機との使い分けがされていた。

以前はGTO素子によるものであったが、近年ではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を主素子とした構成としている。進歩により高耐圧の素子が開発される状況になってきたことから、時期により、3分圧・2分圧・2レベルインバータに分けられる。

サイリスタを用いた装置の場合、2~3組のインバータの位相をずらしで運転し、出力変圧器(中間タップ付き)に入力して任意の電圧を得ていた。

IGBT素子が使われ始めるとPWM周波数をより高く設定できることから小型の交流フィルタで実用上問題の無い正弦波を得ることが可能となり、機器も小型化された

原理的にはスイッチング電源とほぼ同じもので、直流にて入力された電圧を、PWM変調により高速にスイッチングし、大きなリアクトル(コイル)、コンデンサにより平滑化され、商用60Hzに近い交流電源となる。それを、変圧トランス(絶縁を兼ねる)を通し、440V,200V,100Vなどの電圧に変換され、クーラ・列車制御装置などの主電動機以外の電源として供給される。

SIVが停止すると電車が運行不能になってしまうことから、編成中のSIVを2台以上とするか、もしくは非常時にVVVFインバータをSIVとして動作させる設計とするのが一般的である。近年では、複数のSIVを並列につないで制御するもの、IGBTなどの素子を2組にし、冗長性を持たせた「待機二重系インバータ」が登場している。

なお、AMラジオなどにノイズが乗るのは、VVVF/SIVによるIGBTのスイッチング周波数がAMラジオの周波数帯に極めて近く大電流を流すことから必然的に電磁波電波)となってしまい妨害されるものである。信号機器などは単純な変調により制御を行っているため妨害し誤動作を起こすことがある。これを誘導障害と呼ぶが、安全上問題が生じるため各メーカ・電鉄会社にて念入りな試験が行われる。

関連商品

鉄道模型では、グリーンマックスから、Nゲージ用改造パーツであるWAU102分散型クーラーの付属品として製品化されている。

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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