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抗力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

抗力(こうりょく、drag)は、流体 (液体気体) 中を移動する、あるいは流れ中におかれた物体にはたらくのうち、流れの速度方向に平行で逆向きの成分のことである。流れの速度方向に垂直な成分は揚力と呼ばれる。

目次

数式

抗力は、抗力係数 CD を用いて、以下のような数式モデルで表されるのが一般的である。


D = {1 \over 2} C_D \rho V^2 S

  • CD は抗力係数(次項で解説) (Drag coefficient)
  • ρ は流体の密度(海面高度の大気中なら 1.2250 kg/m3
  • V は物体と流体の相対速度 (Velocity)
  • S は物体の代表面積 (Surface)
  • D は、発生する抗力 (Drag)

抗力係数

抗力係数 CD は、抗力を動圧( {1 \over 2}\rho V^2)と代表面積で無次元化したもので、物体の形状・流体の粘性・流れの速さ (レイノルズ数) 、マッハ数、そして迎え角によって変化する。

  • 抗力係数は、流れが音速より十分遅いときは、およそ迎え角の2乗に比例する。
  • ある迎え角 (失速迎え角) において、抗力係数は急激に増加する。

抗力の成分

抗力(ないし抗力係数)を以下のような成分に分けて考えることがある。誘導抗力については、翼端のある三次元ないしは翼を含む構造物(固定翼機回転翼機など)、あるいはリフティング・ボディのように、揚力を発生する物体について考える。

誘導抗力(lift-induced drag,induced drag,drag due to lift)
揚力の発生に伴って発生する抗力。揚力が生じているとき、翼の上面は下面よりも圧力が低くなっているため、翼端では下から上へと回り込む渦(翼端渦)が発生している。さらにこの渦の持つ下向きの速度(吹きおろし downwash)によって流れの向きは下向きに傾いており、その分揚力(正確には揚力ではない)も下流方向に傾いている。この傾いた揚力の、流れに平行な成分が誘導抗力である。
有害抗力(parastic drag,parasite drag)
揚力の有無には無関係に存在する抗力。干渉抗力と形状抗力とに大別される。
干渉抗力(interference drag)
と胴体の結合部分などで部分的に気流が剥離することにより生ずる抗力。フィレットなどにより低減が図られる。
形状抗力(form drag,proflie drag)
物体の形状のみに依存する抗力。
圧力抗力(pressure drag)
物体後方で圧力が低下することによる抗力。とくに流れが剥離した場合に著しく増大する。
摩擦抗力(skin friction drag)
物体表面と流れとの摩擦による抗力。境界層の状態に大きく影響され、層流であるほうが乱流であるよりも摩擦抗力は小さい。
造波抗力(wave drag)
衝撃波による抗力。

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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