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会社分割

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

会社分割(かいしゃぶんかつ)とは、企業組織再編の手法の一つである。

  • 会社法は、以下で条数のみ記載する。

目次

概要

2001年4月1日に当時の商法にて発効し、導入された。導入以前からあった営業譲渡(会社法に移行後は事業譲渡)と比較して、会社分割はその手法が明確になされているために、用途自体は限定的である一方で分社化に際しての透明性が高いうえに手続きが簡素である。それゆえ、会社分割制度導入以後の分社化では、会社分割が用いられるケースが多い。

会社分割は、企業の不採算部門の切り離しや、異なる企業の同一部門をお互いに分離・統合しスケールメリットを求める場合、あるいは持株会社化などに行われ、法人の事業部門の全部又は一部を、既存法人や新設法人に移転することとなる。全部を移転すれば、経済実態上は「合併」と同様の効果が得られる。

例えば、製造販売を行うA社とB社が、それぞれの販売部門を切り離して「共通の販売会社」を設立し、自らは製造業に集中するといった、経営の自由度が高まることになる。

また、中小企業における事業承継において、例えば、長男と次男に分割により切り離された事業を、それぞれ承継させるといったことも可能になる。

商法・会社法上の取扱い

物的分割と人的分割

分割は、商法上、人的分割物的分割とに区分される。前者は、出し手側の法人(分割法人)の株主が、移転する資産等の対価として、受け手側(分割承継法人)から株式や金銭などの交付を受けるのに対して、後者では分割法人自らが、対価の交付を受けるという違いがある。また、両者の折衷法として中間型分割と呼ばれる手法もある。

なお、2006年5月1日施行の会社法では、物的分割のみを規定しており、人的分割は「物的分割+剰余金の配当(配当財産が株式)」という方法によることになる(763条12号)。

新設分割と吸収分割

会社法上、新設分割吸収分割とにも区分される。

  • 吸収分割:分割した事業を既存の別会社に承継させる(2条 29号)。
    吸収分割株式会社の債権者の異議(789条)
    吸収分割承継株式会社の債権者の異議(799条1項2号)
  • 新設分割:分割した事業を新設の会社として承継させる(2条 30号)。

税務上の取扱い

分割型分割と分社型分割

税務上は、人的分割を分割型分割、物的分割を分社型分割と呼ぶ。両者の大きな相違点は、前者においては分割の時点で分割承継法人に移転する利益積立金額の確定を要するため分割法人の事業年度が分断されるが、後者の場合は分割法人の事業年度は継続する。分割型分割は合併と、分社型分割は現物出資と類似している。

非適格分割と適格分割

分割には、資産負債の移転が伴うが、法人税法は、原則的に、これを時価により移転するものと考えて取扱う。これは、一般的には非適格分割とよばれる。非適格分割により含み益のある資産(例えば、土地や有価証券)が移転する場合には、まず、分割法人において資産の譲渡益課税が生じ、また、分割法人の株主についてもみなし配当課税や譲渡益課税が生じうる。

一方、移転前後で経済的な実体が変わらないような一定の基準を満たす分割は、例外的に適格分割と呼ばれ、移転資産の簿価による引継ぎを行うことにより課税関係が生じない仕組みが採られている。

なお、適格分割型分割のうち、分割承継法人に資産負債を移転後直ちに分割法人が解散するスキームは適格合併に似ており、これを特に合併類似適格分割型分割とよぶ。

事例

みずほ銀行みずほコーポレート銀行
会社分割制度導入の背景には、財界の強い要望があった。これは、当時の第一勧業銀行富士銀行日本興業銀行をみずほ銀行・みずほコーポレート銀行に再編するにあたり、その規模および社会的影響から、事業譲渡よりも会社分割を行うほうが望ましいと判断されたことによる。加えて、法律上、普通銀行である第一勧銀・富士銀行と長期信用銀行である興銀との間では、合併は可能だが会社分割や事業譲渡は不可であった(普通銀行どうし、長期信用銀行どうしで会社分割や事業譲渡をすることは可能)ため、2002年4月1日に以下のスキームで再編がなされている。
第一勧銀のコーポレートバンキング業務を富士銀行に、富士銀行のコンシューマーバンキング業務を第一勧銀に承継する吸収分割を行い、第一勧銀は「みずほ銀行」、富士銀行は「みずほコーポレート銀行」に商号変更した。また、再編に先立ち、2002年1月8日付で「みずほ統合準備銀行」という長期信用銀行を設立、免許を取得して再編に備えた。そして、興銀は、コンシューマーバンキング業務をみずほ統合準備銀行(同日みずほ銀行に吸収合併)に吸収分割したうえで、みずほコーポレート銀行に吸収合併された。

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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