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ピラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ピラー(pillar)とはを意味する英語。転じて、日本語では主に以下の意味で使われる。

  • 自動車屋根を支えるための柱。
  • ハープの、演奏者から見てもっとも遠い位置にある柱。

ここでは上の自動車におけるピラーについて述べる。

概要

自動車においてピラーとは、前述したとおりキャビンの屋根を支える「柱」である。 なおPillarとはアメリカ英語(米語)であって、イギリス英語では自動車の柱はPostと言うが、日本ではピラーと言われる。

ピラーの名称は、前からAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラー…とアルファベット順に並んでいく。 ピラーが片側3本しかない車の場合、A・B・Cのかわりにフロントピラー、センターピラー、リアピラーと表記することもある。

大半のセダンクーペコンパクトカー軽自動車などはA、B、Cの3本のピラーを持っている。 Aピラーは運転者と助手席の斜め前にある柱、Bピラーは前部座席と後部座席の間にある柱、Cピラーは後部座席斜め後ろにある柱である。ワンボックスカーミニバンステーションワゴン、6ライト型のセダンでは、さらに車両最後部で屋根を支えるDピラーのある車も存在する。 逆に2人乗り(2シーター)クーペはキャビンの前後が小さいためAピラーとCピラーの2つしかない車種もある。

またはピラーは通常は左右対称になるように配置されているため4本、6本、8本など偶数になるが、片方だけどこかのピラーがない車もあるため、必ずしも左右対称に偶数本あるわけではない。例えばダイハツの2代目タントは左側がBピラーのないピラーレススライドドアを採用しているが、右側はA・B・Cそれぞれのピラーがあるため、実質的に5本のピラーを持つ。

その他、オープンカーはフロントガラスを支えるためのAピラーしかなく、フォーミュラカーやバギーカーは屋根を持たないためにピラー自体ない。

役割

image:Image:Phantom tail.jpg
ロールス・ロイス・ファントム。大衆車にはない太いCピラーを持つ。

ピラーの役割は前述したように自動車の屋根を支えることだが、衝突安全性やデザインに及ぼす役割も持っている。

重い屋根(ルーフ)を支えるために当然ながらピラーも頑丈に作る必要があり、通常の走行におけるボディ剛性につながるほか、Bピラーは側面衝突の安全性に大きくかかわってくる。そのため衝突安全性を高めるため、Bピラーに高張力鋼を採用したり(デミオなど)、さらに強靭な1GPa(ギガパスカル)級の引張強度を持つ超高張力鋼を採用する車(ギャランフォルティスなど)もある。

Aピラーもやはりルーフの重量を支えるため頑丈に作られるが、Aピラーが太いと死角が大きくなって視界が悪くなるために、重量を支えられる範囲でどれだけ細く作れるかが課題となる。一般的に、視界を確保するためにBピラーとCピラーを太くしてAピラーにかかる重量を小さくすることが多い。

Cピラーはスタイリングに大きくかかわってくるため、車によって太かったり細かったりする。例えばBピラーのない車はA・Cピラーで屋根の重量を支えるが、Aピラーをあまり太くすることはできないため、それを補うための太いCピラーを持つ。また高級車では、後部座席の要人が外から容易に見えないよう太くデザインされたCピラーを持つ車も多い。

ハードトップとピラー

image:Image:Toyota Corona Exiv 1991.jpg
トヨタ・コロナEXiV(初代)。Bピラーを持たないハードトップの例。

Bピラーがなく、ドアサッシを持たないセダンは「ハードトップ」と呼ばれる。 かつてはアメリカ車や、日本車でも高級車大衆車の上級クラスに好んで採用された。これらの詳細についてはハードトップの項目を参照

しかしBピラーがないとA・Cピラーのみで屋根を支える必要があり、ピラー1本が支える重量が増えるためにボディ剛性を保持するためには残ったピラーを頑丈に作らねばならず、重量とコストが高くなる。また側面衝突安全性が非常に低くなる。

そのため現在ではBピラーは残したままデザインの工夫によってハードトップ風にする「ピラード・ハードトップ」が主流になり、Bピラーそのものが存在しない「ピラーレス・ハードトップ」(本来の「ハードトップ」)は数を減らしつつある。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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