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ドゥカティ・デスモセディチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ドゥカティ・デスモセディチ (Ducati Desmosedici)とは、ロードレース世界選手権MotoGPクラス参戦を目的としたドゥカティのレース専用オートバイである。

また、デスモセディチの性能をほぼ受け継いだ公道使用車も存在する。


image:Image:Randy Mamola Ducati 2006 0618.jpg
ランディ・マモラが運転する2人乗り用デスモセディチ

目次

概要

誕生の背景

2002年からロードレース世界選手権(MotoGP)の最高峰クラスがGP500からMotoGPクラスに変更されるに伴い、参戦できるマシンのレギュレーションも大きく変わった。特に大きな変更点はエンジン排気量に関するもので、それ以前は2ストロークエンジン(以下2st)・4ストロークエンジン(以下4st)ともに排気量の上限は500ccだった(同じ排気量では2stの方が高出力であり有利である)のが、変更後は4stのみ990ccまでに拡大された。このため4stエンジンのマシンが有利になるため、以前から参戦していたホンダヤマハスズキといったメーカーは2000年頃から4st990ccマシンを開発し、2002年からの参戦に備えていた。

それに対しドゥカティは4stエンジンを得意としていたため、2st有利だったGP500時代は参戦せず、市販車4stマシンのみで争われるスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦していた。しかしレギュレーション変更によって4st中心となるであろう新生MotoGPクラスへの参戦を決意、2001年に4st990ccL型4気筒エンジン搭載車による参戦を発表した。発表前にはドゥカティの代名詞とも言えるL型2気筒エンジンでの参戦も囁かれていただけに、ドゥカティとしては初となるL型4気筒での参戦発表は驚きをもって迎えられた。

990ccモデル

1年後の2002年MotoGPイタリアGPにおいてデスモセディチのプロトタイプが発表された。それ以降テストを重ね、2003年開幕戦・日本GPでデビュー。初戦からトップ争いを演じロリス・カピロッシが3位を獲得、第6戦カタルーニャGPでは早くも初勝利を上げた。2004年からは型落ちマシンをプライベートチームにも供給を開始。ワークスチームは2005年からタイヤをブリヂストンに変更してから戦闘力を上げ、2006年シーズン終了時までに通算7勝を記録。

800ccモデル

2007年からMotoGPのレギュレーションが変更となった。主な変更点はエンジン排気量に関するもので、安全上の理由から2006年までの990ccから800ccに引き下げられた。

そのため各メーカーとも新レギュレーションに対応する新たなマシン開発に迫られたが、ドゥカティはいち早く開発に着手。2006年シーズン半ばで早くも800ccマシン・デスモセディチGP7を完成させテストを開始していた。そしてGP7のデビューレースとなった2007年開幕戦・カタールGPでは新加入のケーシー・ストーナーが優勝を飾って早期テストの成果を見せつけ、現在も活躍を続けている。

戦績

※ワークスチームの戦績

  • 2003年 - コンストラクターズランキング:2位
ロリス・カピロッシ:4位(1勝)/トロイ・ベイリス:6位
  • 2004年 - コンストラクターズランキング:3位
ロリス・カピロッシ:9位/トロイ・ベイリス:14位
  • 2005年 - コンストラクターズランキング:3位
ロリス・カピロッシ:6位(2勝)/カルロス・チェカ:9位
  • 2006年 -
ロリス・カピロッシ(3勝)/セテ・ジベルナウ/トロイ・ベイリス(1勝)
  • 2007年 - コンストラクターズ:1位/チーム:1位/ライダー:1位
ロリス・カピロッシ:7位(1勝)/ケーシー・ストーナー:1位(10勝)
  • 2008年 -
ケーシー・ストーナー/マルコ・メランドリ

名前の由来

「デスモセディチ」という名称は、後述のエンジンバルブ開閉機構デスモドロミックの「デスモ」とバルブ数である16のイタリア語である「セディチ」を合わせたもの。日本語に訳すと「強制開閉16バルブ」という意味になる。

また、年式を表す「GP-」(-には西暦年の下1ケタが入る)が名称の後に付く。2006年型は「デスモセディチGP6」である。

メカニズム

エンジン

エンジンは4ストローク800cc(2006年型以前は990cc)L型4気筒16バルブ。バルブ開閉機構に一般的なスプリング形式を用いず、L型2気筒とともにドゥカティの代名詞であるデスモドロミック(強制弁開閉式)を採用。この機構を用いるMotoGPマシンはデスモセディチのみである。

フレーム

フレーム形式もMotoGPマシンで一般的なツインスパーではなく、ドゥカティの市販車でお馴染みのパイプを用いたトラスフレームである。

タイヤ

タイヤは2003年・2004年がミシュラン、2005年以降はブリヂストンを採用している(ワークスチーム)。

公道仕様車・2人乗り仕様車

デスモセディチの公道仕様車はデスモセディチRRといい、2007年に限定生産で発売が開始されている。最低限の保安装備は搭載しつつも、機構的にはレーサー仕様(原型はGP5つまり2005年型とされる)をほぼ流用している。エンジンは水冷4ストロークデスモドロミック4バルブ90度V型4気筒で360度クランクに70度の位相角を採用する不等間隔爆発エンジンで、カムシャフトの駆動はギアによるカムギアトレインであり、これもレース用車両に準拠する。エンジン最大出力および車両重量は、レース用マフラーで147.1kW/200psで171kg、公道準拠のマフラーでは138kW/188psで175.5kgとなる。なお価格は5万ユーロ、日本円で866万2500円(税込)となっている。この価格は市販二輪車としては高額であるが、一台数億円とも言われるGPマシンとの多くの相関性を考慮すると、むしろ破格であると言えよう。

また、公道使用とは別にレース用をベースとした2人乗り仕様も存在する(写真)。これは観客にMotoGPマシンのパフォーマンスを体験してもらう目的で作られた体験試乗用のデスモセディチである。各レースで元GPライダーのランディ・マモラ氏が運転し、少数の幸運な観客やゲストが体験試乗している。過去に体験した有名人には元F1ドライバーのミハエル・シューマッハNBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンらがいる(ちなみにこの2名は自らの手で1人乗りレース仕様車の運転も経験している)。

関連項目

外部リンク


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴
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