おくさまは18歳
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『おくさまは18歳』は本村三四子(‐みよこ)作の少女漫画。及びこれを原作としたテレビドラマと劇場用映画。
目次 |
少女漫画
集英社「週刊マーガレット」に1969年8月より1970年8月まで連載された。ラブコメディの典型的なスタイルを生み出した作品とされる。
- あらすじ
- 舞台はアメリカのカレッジ「スイートピー学園」。青年教師のリッキー・ネルソンと女学生のリンダ・ネルソンは結婚している事を隠して学園生活を送っているが、次々に事件に巻き込まれ、秘密がばれそうになると言うもの。
テレビドラマ
1970年9月29日から1971年9月28日までTBS系列で全53回が放送された。内容の革新性、完成度の高さ、影響力の大きさ等からテレビドラマ史上屈指の傑作コメディとされる。
ドラマ成立の時代背景
戦前の日本においては、女子の場合10代で結婚し家庭に入ることはごく普通のことであったが、戦後においては適齢期の男性が多数戦死したことや、女性の社会進出等により結婚年齢は上昇して行った。しかしそれに反して高度成長期に入った1960年代後半ごろは栄養水準の向上による早熟化や、マスコミによる性情報の氾濫、さらに欧米を中心とした性の解放の風潮に影響され、ティーンエイジャーの性への関心が低年齢化して行き、両者のギャップを埋め合わすかのように、本作や「おさな妻」(1970年 原作:富島健夫、東京12チャンネル(現・テレビ東京)でドラマ化、大映で映画化)、「ハレンチ学園」(1968年 原作:永井豪、1970年に東京12チャンネルでドラマ化、日活で映画化)といった既成の性のモラルを挑発的に捉えた作品が登場し、注目を集めることになった。
これらの作品の中でもとりわけ本作は、高校教師と女生徒が秘密で結婚をしているために常に騒動に巻き込まれるという状況設定がスリリングかつ斬新であり、シチュエーション・コメディの要素を取り入れたラブコメディという画期的なスタイルによって最高の話題と人気を博した。
企画
1969年秋、取材先の北海道網走の食堂で、偶然週刊マーガレットに連載中の原作を見出した脚本家の佐々木守は、設定を日本の高校に移し変えてドラマ化を企画。大映テレビ室のプロデューサー春日千春の元に持ち込み、TBSで放映が決定した。
佐々木の構想では、恋愛が成就するまでを描く「青春ドラマ」とも結婚生活から始まる「ホームドラマ」とも違う、秘密に結婚したカップルが学園生活を送るという、かつて無かった「思春期ドラマ」であり、“笑いとサスペンスに満ちたライトコメディ”であるとされている。
佐々木の最初の案に拠れば、イメージキャストの第一候補として、主役の高木飛鳥役と高木哲也役にそれぞれ吉沢京子と西郷輝彦の名が挙げられ、放送時間も夜9時台が予定されていたが、春日の決断により、コメディ演技に関しては未知数だった岡崎友紀と石立鉄男が敢えて起用され、放送時間も子供にも見てもらえる時間帯にするために夜7時台に変更された。そのため露骨な性描写は抑えられ、演出もリアリティよりもメルヘン的な雰囲気を強調したものにされた(なお高木飛鳥と言う役名は、当時佐々木が日本古代史、特に飛鳥地方に関心を持っていたために付けられたものである)。
脚本、演技、演出
佐々木の用意した脚本は型破りな、ト書きまでもが砕けた会話調で書かれたポップな乗りのもので、スタッフと出演者のイメージを膨らまさせ、新しい演出のアイデアやアドリブ演技が次々と生み出されていった。
漫画原作のドラマに最初は強い抵抗を感じていた哲也役の石立は、本作を単なるドタバタ劇に終わらせまいと言う意欲の元に、台詞のやり取りで面白さを表現するファルス(笑劇)の効果を狙った演技プランを提案し、台詞のメリハリとリズム感を強調して対話のスピードを通常よりも大幅にテンポアップした。佐々木初めスタッフ達はそれを受け入れ、30分ドラマに通常の一時間ドラマ並みの台詞を取り込んだ。最初は気後れしていた飛鳥役の岡崎も天性の勘の良さを発揮して、すぐに石立の演技に喰らいついてゆき(ルシル・ボールの演技を参考にしたと云われる)、やがては見事に息の合った夫婦を作り上げていった(なお後年石立は回想で岡崎の演技を「長年この商売(俳優)をやってますが、彼女ほど勘のいい女優は初めてでした」と賞賛している)。
メイン監督の湯浅憲明は一名「三段落ちショット」とも言われる、シーンの変わり目に女性スキャットをバックに小道具の花や人形などの約一秒間のアップ映像を3ショット連続で写しこみ、ドラマの状況を明示し、テンポ感をつけてからストーリーを展開させる演出法を作り上げた。湯浅の持論は「コメディは三拍子が面白い」と言うもので、この考えに支えられて、うつみみどり(現・うつみ宮土理)演ずる花咲ユメ子の流行語にもなった「悔しいわ、悔しいわ、なんだかとっても悔しいわ(様々なバリエーションあり)」と言うギャグも生まれた。
さらにドラマの後半には、佐々木が本作と同時期に手掛けたドラマ「お荷物小荷物」(1970年 朝日放送)で多用された、ドラマの中で出演者が唐突に視聴者に語りかける「脱ドラマ演出」も試みられている。この演出法は次回作の「なんたって18歳!」でより徹底して使用された。
反響
- 本作は放送が始まると同時に人気を獲得し、最高視聴率33.1%を記録。このため2クール26話の最初の放送予定が一年間53話に延長された(全体の平均視聴率は25%)。
- 岡崎友紀は本作によって1970年度テレビ大賞新人賞を受賞した。
- 映画評論家の宇田川幸洋は「(本作を)超えるラブコメディはいまだにない。(中略)一生見つづけても飽きることのない夢のような傑作である」と賞賛している。
本作に影響された作品
- 本作によって国民的アイドルの座を確立した岡崎の人気とキャラクターに立脚した「18歳シリーズ(ライトコメディシリーズ)」(-1974年)が後続番組として製作され、さらに本作の設定を一部変更した「秘密のデカちゃん」(1981年)、「だんなさまは18歳」(1982年 以上TBS)、「お願いダーリン!」(1993年 フジテレビ)といった実質的リメイク作品が新たに製作されるなど、「主人公にまつわる秘密を巡って騒動が展開する」という“黄金の設定”による和製シチュエーション・コメディ/ラブコメディの典型的、王道的なスタイルを定着させた。
- 他に類似の設定を持つ作品として日本においては、「花よめは16歳」(1979年 テレビ朝日)、「おねがい☆ティーチャー」(2002年 WOWOW)、「おくさまは女子高生」(2005年 テレビ神奈川)等が挙げられる。
- 海外においては1972年の香港映画「娃娃夫人(あいあい‐)」(英題:The Merry Wife)は、35歳の男性教師が17歳の女学生と秘密で結婚すると言う設定で、監督の金洙容(キム・スヨン)は日本語も堪能であり、明らかに本作の影響を受けているものと考えられる。
- 近年では類似の設定による作品として2002年の香港映画「我老婆唔夠秤」(英題:My Wife Is 18)、2004年の韓国映画「マイ・リトル・ブライド 花嫁は女子高生」が挙げられる。
あらすじ
飛鳥は高校三年の18歳。病床にある祖母に花嫁姿を見せるために父親同士が決めた婚約者・高木哲也と田舎で結婚し、哲也の勤める北辰学園に転校することになる。だが学園長は、二人のことを認めながら、教育上また学園の精神に則り教師と生徒が結婚していることがわかってはいけないと秘密にすることを厳命、もしばれたら哲也は即刻解雇、飛鳥も同様に退学だと約束させられる。かくして独身とされた哲也が、司書の小山や、渋沢先生、女生徒たちにモテる姿をやきもきしながら見守ることになる飛鳥。その飛鳥も男子生徒たちの人気者になり男性教諭・海沼からも慕われる始末。自宅の隣のおばさんも哲也と飛鳥を兄妹と思い、哲也に縁談を持ち込むので二人は学校でも家庭でも常に波乱に巻き込まれるのだった。
放送リスト
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主題歌・挿入歌
- 主題歌
- 「おくさまは18歳」作詞:岡崎友紀、作曲:長沢口一、歌:岡崎友紀
- 挿入歌
- 「小さなお城」作詞:岡崎友紀、作曲:T.パインフィールド、歌:岡崎友紀
キャスト
- 高木飛鳥:岡崎友紀
- 高木哲也:石立鉄男
- 海沼先生:寺尾聰
- 渋沢民子:冨士眞奈美
- 大山園長:森川信
- 小山美矢子:秋山ゆり
- 山本達子:横山道代
- 花咲ユメ子:うつみ宮土理
- 芦野史郎:内田喜郎
- 松木エミ:松坂慶子
- 水川佐知子:高橋まゆみ
- 吉本ジュン子(島田ジュン):伊原静江(現・大和なでしこ)
- ヨッコ:清水京子
- チャコ:早乙女ゆう
- 山之辺ケンイチ(山崎):小池正史
- 田辺タカシ(中原タケシ、坂崎):本橋敏和
- 山田ヤスコ:宇津明子
- 小林千代子:本田圭子
- ヨーコ:香美カコ
- トシコ:田尻晶子
- 遠藤トシオ:前田充穂
- ダメージ:梅沢正康
- サムライ:ピーター・みのわ
- オフクロ:三浦靖春→高野浩幸
- 飛鳥の祖母:北林谷栄
スタッフ
データ
劇場用映画
テレビドラマのヒットを受けて『おくさまは18才 新婚教室』のタイトルで映画化された。
スタッフ
- 制作者:本木荘二郎、吉野達弥、長沢ロー
- 脚本:石川達人、山本邦彦
- 潤色:佐々木守
- 監督:山本邦彦
- 音楽:荒木圭男、長沢ロー
- 撮影:鷲尾馨
キャスト
- 高木飛鳥:岡崎友紀
- 高木哲也:石立鉄男
- 海沼先生:宍戸錠
- 渋沢先生:塩沢とき
- 大山園長:藤村有弘
- 小山美矢子:渚まゆみ
- 水川佐知子:高橋厚子
- 山田達子:野村昭子
- 山田圭助:江幡高志
- 芦野史郎:吉田次昭
- 飛鳥の祖母:笠置シヅ子
- 医者:永井柳太郎
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008年4月8日 02:04 版 改訂履歴 Text is available under GNU Free Documentation License. |